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量と質はどちらが大切なのかと言う話

これはよく議論される2択なのだけれど、

結論から言うと、私は質より量が大切だと思っている。

特に絵などの創作の場面においては。

 

良質転化の法則というのがある。

ある一定の量をこなすとことで、質が良くなると言う法則だ。それを私も信じている。だからこそ、デッサンやクロッキーや龍の絵なんか、とにかく枚数をこなすことにこだわりを持っている。

そして結果的に始めた頃よりも、何百枚も書いた今の方が質が上がっていると断言できる。

 

 

でも、すべての人にとって、必ずしも量が質に変わると言うわけでは無いことも知っている。

 

これは何かの実験であったのだけど、ある学生に自由にピアノを弾いてもらったところ、どれだけ弾いても技術的な成長は見られなかったという。

それはつまり、どんなに量をこなしても、そこに何も新しい変化を投入しなければ、質が向上すると言う事はないと言うことだ。

 

一度覚えた曲を何度繰り返しても、クオリティーは少しずつ上がるかもしれないが、新しい曲が弾けるようになるわけではない。

 

当たり前だ。量の中に少しずつ何らかの学びを加えるから、成長があるのであって、ただ闇雲に量を重ねるだけじゃダメだと言うことである。

 

 

 

 

しかし、自由に同じことを繰り返しているようでも、絵の場合は少し違う。

絵に関しては自由に量を書き続ける段階で、自然と変化してしまうのだ。

 

例えば、私は、1年間で龍の絵を1000枚書いたのだが、その間、他の人の描き方を学んだり、技術の向上をした事は特別ない。しかし明らかに最初の頃より質が上がったと言えるのは何故かと言うと、量をこなす中でどうしても生じてしまう「飽きる」ということが、自然と新しい挑戦をさせていたからだと思っている。

 

同じような構図、同じような筆運びで描いていると10枚も描くと飽きてしまう。

そうすると今度はちょっと違うことをやってみようとする。

目の描き方を変えてみる。

水の使い方を変えてみる。

違う画材を取り入れる。

そういうことをやっているうちに「この表現を面白いなぁ。こっちの方がいいな」と新たな発見がある。

そうやって、いろいろ試してるうちに洗練されてくる。

 

しかしこれは短いスパンで量をこなす場合に限る。

例えば1週間に1枚程度しか書かなかったとしたら、飽きる事は無いかもしれない。

だから新しい挑戦をしないかもしれない。

 

私の場合は1日に何十枚も書いたりする。

だから、量によって質が変化していると言えるのかもしれない。

 

 

 

素人は質にこだわる。

1つの作品に時間をかけすぎる。

「ここがうまくいかなかった、どうしよう」とか「どっちがいいか」「失敗したからやり直そう」とか、そんなの悩んでる時間がもったいない。

 

悩んでる時間があれば2枚書けばいい。

もちろん雑に作れとは言わない。

だけど、ある程度のクオリティーで表現できたのなら、作品の良し悪しなんて、あとは見る人の好みなのだ。

必ずしもそこに正解なんてない。

だから、完璧な1枚を作るより、たくさんのいろんなパターンの作品を作った方が良い。

よっぽどいい。

 

 

正直なところ、それができるかできないかでプロになれるかどうかが決まっている気もする。

成功している人はとにかくたくさん作っている。

数を作ればどれかが誰かの心に響く。

だって、万人に受ける完璧な作品なんてないのだ。

だから私はほどほどの作品をたくさん作る。

ぽんぽん作る。サクサク作る。

 

そんな私も昔は小さいことにこだわっていた。

だけど、今見ると昔の作品は拙くて、そんなところにこだわっていても仕方ないのにな、と思うことがほとんどだ。

その経験値も含めて、今は量を重ねることに重きを置いている。

 

 

「絵が上手くなりたい。プロになりたい」

そう思っている人は、特に「量を作る」という事を意識してみて欲しい。

圧倒的な量を作っている作家で、成功していない人の方が少ない。

 

量と言うのは説得力があるのだ。

同じことをやり続けていると言う事は「専門家」だということだ。

 

たった1枚の奇跡の1枚の素晴らしい絵を描いた人より、

そこそこの作品が1000枚ある人の方がきっと信頼される。

(まぁそれでも奇跡の1枚が描きたいと思ってしまうのが絵描きのさがでもあるんだけど。)

 

質より量と信じられるようになってから、私は精神的にも楽になった。

続けていれば必ずたどり着けるとわかっているからだ。

 

だから、安心して書き続けよう。

 

少しずつ新しいチャレンジを取り入れながら。

 

とにかくひたすらに書き続けよう。

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