自信という魅力。同じスキルなら、自信のある人に頼みたくなるよねって話
私は自信がない。
幼い頃からずっと自己肯定感が低いのです。
だけど、それでは生きていくのに損だと幼心に感じていて、
自信があるように振る舞っていました。
自信て必ずしも良い印象があるわけじゃないけど、
「自分は仕事ができる」という自信のちゃんと見える人に
人は仕事を頼みたくなるのではないでしょうか。
グラフィックデザインスクール時代に、S君という同級生がいました。
当時27歳だった私より、少し若いS君。
このスクールは社会人向けなので、デザイン経験者も未経験者も入ってきます。
S君は未経験者でした。
私は経験者でしたが、入学して授業が始まるまでドキドキ不安だらけ。
デザインができるといっても独学フリーランスで、社会人経験はなかったので、周りの人がみんな凄い人に見え萎縮していました。
レベルの高い学校なので、授業も初日から猛スピード。
経験者でもついていくのがやっとです。
そんな緊張感のあるクラスの中で、積極的に発言し、ムードメーカーになったのがS君でした。物怖じしない態度は大物の予感がしました。
初心者のS君、作るデザインは、特別良いものでは無いのです。
でも自信満々でプレゼンをします。
「どういうコンセプトで、どういうイメージで、自分の作品の良いところはここです!」
と自信を持ってプレゼンをする。すると、なんだかデザインも立派に見えてきます。
デザインだけで見たら、初心者なりの拙さを感じて、「初心者なんだろうな」と思うのですが、彼のプレゼンを聞くと、「できる人があえてこのデザインを選んでいる」とさえ感じさせるものがあります。もちろん、経験豊かな先生は、彼の評価をしっかりしますが、デザインに詳しくない一般のお客さんからしたら、「この人に任せたら安心」と思うかもしれません。
こんな経験もありました。10代の頃通っていた歯科医院の先生の話です。
アットホームな雰囲気のその歯医者は、若くて温和な男の先生が1人、助手の女性が1人の小さな医院でした。
その先生、私が痛そうなと反応すると、「すいません!」と申し訳なさそうに言うのです。別に痛くて怒ってるわけでも、やめて欲しいと言うわけでもなく、もちろん声に出せませんから、痛そうな素振りをするだけなのですが、先生はその度に「すいません。すいません。」と謝ってきます。「痛かったですか・・・?」と不安げに聞いてきます。優しい先生で良いのですが、あまりにも謝られると失敗してるのでは?下手なのでは?とこちらが心配になってしまいます。
正直、私には彼の技術はわかりません。
でもあまりにも態度が下手すぎるのも、良いようで損をしてるのではと感じた経験でした。
(人間界のレベルって目に見えないですからね。(※リザードンの進化は本当はLv.36))
過度な謙遜や自信のなさが出てしまうのは損だと思います。
人間の技術と言うものは、機械のように、客観的に性能がわかるものではないため、
誰にでも一目瞭然と言うわけにはいきません。
だから人はその態度などから、「この人に任せよう。この人なら安心」と言うような判断を下すことがあります。
もちろん自分では、「まだまだ上がいる」と言う事もわかってますから、謙虚になる事は仕方がない。でも、自分のためにも、相手のためにも、責任の伴う自信を見せていきたいと思うのです。
同じスキルだったら、「自信のある人」と「自信のない人」では、「自信のある人」に仕事を頼みたくなると思います。「できるかもしれません・・・」という人には頼むのは不安なのです。
「できます!やれます!僕の作品はかっこいいです!」
イタイと言われることもあるかもしれませんが、そう言い切れる人は魅力的です。
S君が今どうしているか知りませんが、
持ち前の前向きなキャラクターで、どんな世界であれ、うまくやっていることでしょう。
私は今でも相変わらず自分と自分の作品に自信がないのですが、作者の自身のなさは作品にもお客様にも失礼。堂々と胸を張って表に出るように心がけています。
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