華色切絵 【公式サイト】

「死とはモーツァルトを聞けなくなることだ」

前田さんの夢を見た。

中学生の時から私の最推しであるTUBEの前田さんだ。

ずっと私のアイドル。14歳の時から22年も。

 

「死とはモーツァルトを聞けなくなることだ」

という言葉は、「死とは何か?」を問われた際の、あのアインシュタインの言葉だと言われている。

(出典は不明らしいが)

 

私も、幼い頃から「死」と考え続けてきた。

その中で、死ぬ瞬間が怖いと言うよりも、死ぬと好きなことができなくなっちゃうんだよなぁと、そのことが怖い。と思うようになった。

 

夜中真っ暗な部屋で、イヤホンをして、大好きなTUBEの歌を聴くのが好きだった。

胸を締め付ける想い。言いようのない切なさに包まれて、生きている喜びと、死ぬことの恐怖も押し寄せる。死とは、こんな感情さえなくなってしまうことなのだろう。そう思って怖くなって曲を止める。そんなことをもうニ十年も繰り返しては死について考えてきた。

 

だから「死とはモーツァルトを聞けなくなる事だ」という言葉を知ったとき、

共感とともに少し心が軽くなった気がした。

 

「死とは大好きな人の声が聞けなくなる事だ」

 

 

アイドルの亡くなったニュースにファンの心情を想い、我が事のように胸が痛む。

「もうこの声は聞けないのだ」と思いながら聞く歌は、一体どんな気持ちなのだろう。

そんな気持ちになるくらいなら、自分が先に死にたいけれど、それはそれで大切な人を最後まで見届けられないのも辛い。

 

もちろん、ただのファンなので、私の中にあるただの勝手な思いでしかないのだが、

でもまだ同じ時代を生きていたい。それだけでいい。

 

痛い思いをするのは嫌だけど、安らかに死ねるのなら、死ぬ事は怖くないかもしれない。

とは言え、この人生で愛したものへの記憶や感情忘れてしまうこと、そしてそれを二度と味わうことができないこと、それが最も怖い。

 

もし来世があったとしても、この人生の記憶を来世に持っていけないとしたら、私はまだまだ今世を生きたい。

 

「死とはあなたを、この記憶ごと、忘れてしまう事だ」

だから、私は死にたくない。

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