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F30号新作と制作記録。

久しぶりに大きな作品を作りました。

F30号です。3日間集中し、一旦完成。
苦しみましたが、なんとか納得できる仕上がりまで持っていけました!

 

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ことの発端は、1年前に下地だけ塗って放置していたF30号パネルが邪魔なのでなんとか作品にしてしまいたいという思いから。

こんな感じで、青の顔料を贅沢に塗りたくって下地だけ作ったのですが、その後、ここに何を作ったらいいかわからなくなり放置していたのです。

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当初は江ノ島の夜景の作品を作るつもりでしたが、やる気がなくなってしまい、何かの花を描きたいと漠然と思っていたんですが、全然思い付かず1年経過しました。

で、検討の末、紫陽花の作品にすることにしました。

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麻紙に紫陽花を書いて切っているところ

まずはとりあえずイメージを掴むため、紫陽花の花や葉のパーツをさまざまな和紙で切り、並べてみます。

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下地の青が単調だからレイアウトが難しいです。
もうちょっと余白やメリハリをつけておくんだったな、と昨年の自分に文句を言いつつ。

貼ってみないと進まないので、とりあえず貼っていきます。

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なかなか綺麗な貼り絵です。

でもここからどう完成に至るか全く読めなかったので、夢中で制作を続けました。

切って塗って貼ってを延々と繰り返し。

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切り絵に胡粉や
墨や絵の具を塗りたくるところ

そしてもうこれ以上パーツは増やさない方がいいだろうというバランスまで持っていったので一旦休止。一旦完成。

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しかし、どうも気に入らない。
切り絵部分は雰囲気がいいのに、やっぱり背景と馴染んでいないのが気になる。

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右は、去年作った藤の花の作品。
これと比べると、圧倒的に絵の深みが違うのがわかります。

重ねている切り絵の枚数は紫陽花の方が多いんだけど、絵としてみたときに、とても浅いんですね。

ここにきて下地の単調さに泣きたくなりました。

今更下地を変えることはできないし…

さらに下地を塗り重ねたら、どんどん下地が手前に来ちゃうし。(もっと奥に行ってほしい)

悩みながら、一晩寝かせました。

 

翌朝。

やはりなんとか奥行きを出したいので、失敗覚悟で典具紙を貼り付けて、白っぽさを足して、さらに胡粉を撒いて白のグラデーションを作ることに。

 

背景が奥に行くのが無理なら、手前にヴェールをかぶせたようになってもいいから単調さを拭いたい、との思いで。

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結果、成功しました!

下地の青と紫陽花がなんとなく同じ空気の中にあるように馴染んでくれました。

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そして、完成。

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まだサインを入れてないし、またここから少し加えるかもしれないけど、納得はできる仕上がりになりました。

あまり手を加え過ぎてうるさくなるのは嫌いなので、この辺でやめておくのがいいかな。

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今回の作品は、手も頭も結構疲れました。

でも1年放置していた下地が作品になって、満足です。

 

早く次の作品を作りたい。下地が肝心だということを痛感したので、次はいい下地を作れるようにしようと思います。

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