切り絵制作記録F20号「願い」
今年も代官山スペースkさんの企画展「夏の切り絵展」が近づいてきました。
1年があっという間です。今回の展示は七夕に会期が被っており、せっかくなので七夕の作品を作りたい!と思いつつイメージがずっと湧かず、諦めていたところ、切り絵教室のレッスン中にふと降りてきました。
搬入まで1週間。もう新作なんて作る時期ではないけど、思いついちゃったから作りたい。しかもできるだけ大きな作品で。
ということで制作を始めました。こちらは講座中に書いたイメージ。
最初は横位置で七夕飾りを描き、他にも七夕祭りのような壮大な風景も考えましたが、右のレイアウトにを大ラフとして採用しました。
そしてphotoshopでイメージ画を描きます。
こんな構図で、色はグリーン系で、みたいなおおまかなことをイメージにしておくと悩まなくていいです。
では、F20号のパネルに和紙を貼り制作スタートです。
まずは下地です。
緑の絵の具を何種類かとその上に墨を乗せて、さらに胡粉で天の川を描いていきました。
大小さまざまな胡粉の粒を筆でドロッピングしていきます。霧吹きで胡粉を吹いたり、今回の制作で一番楽しい作業でした。
正直この状態では星空に見えない気がして不安になりますが、イメージ画があるからこのくらいでOKだと判断できます。
下地が完成したら、笹の葉の切り絵を貼っていきます。
笹の葉が登場したら急に天の川感が出ました!やった!
黒く染めた笹の葉の上に、白い笹の葉を重ねていきます。バランスにすごく悩みます。
そしてメインの笹の切り絵を貼りました。
最後に七夕飾りを切って貼って、天の川を足したり、バランスを見て笹の葉を足したりして完成しました!
かなり元のイメージ画を再現できた気がしてます。
カラフルではなく落ち着いて幻想的な七夕の夜が出来上がりました。
では額装です。
今回は制作より額装に悩まされました。
F20号だと大き過ぎないサイズ感なので、パネルのまま飾るとチープな感じがするのでは?と・・・
30号を超えると本額に入れたら持ち運べないので自作の仮額にするのは決定なんですが、20号だとギリ油彩の本額に入れてもいいかも、という感じです。
しかもちょうど家に額がありました。
入れてみました。
わー。油彩額に入れるとかっこいいなぁ。
これでいいじゃん、と思いつつ。重過ぎて大き過ぎて、今回の展示では邪魔になりそうな予感です。
しかも絶対、電車でギャラリーまで運べない。うーん。
一日中悩んで、いつもの仮額をつける事にしました。
ギーコギーコ。
ペタペタ。
完成!
おぉー黒かっこいいですね。これが一番しっくりくる。悩んだ甲斐がありました。
そういえば完成してから今回は箔を使わなかったことに気づいて、最後に銀箔を散らしました。ちょうど一番メインの笹の葉に重なるように。
そうしたら箔を散らした部分が手前に見えてきて、画面にさらに奥行きを出すことができました。キラキラの箔はこんなに手前にくるんですね。星を目立たせたいからと言って天の川部分に散らさなくて正解でした。宇宙は遠いからね。
と、いうわけで、楽しく悩みながら制作できた今作は早速、切り絵展に飾ります。
どうぞ夏を感じにきてくださいませー。
関連情報