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切り絵で使うのりの話

こんにちは。切り絵作家の平石智美です。

 

今回は切り絵で使う道具の1つである「のり」についてご紹介したいと思います。結論を言うと、のりはどんなものでも構いません。いろいろなのりを試した上で、ぜひ自分に合ったのりを見つけていただければと思います。

 

それでは、切り絵で使うことができるのりの種類を紹介したいと思います。

 

ペンタイプのり

 

まずは私の書籍でも必ず出てくるペンタイプのりです。

一般的では無いのですが、ペンの先から少量ののりが出てくるため、切り絵などの細かい作業にはもってこいです。

 

 

もともとラインストーンなどの細かなパーツの貼付に開発されたのりだと思うのですが、このタイプの商品が出て、切り絵作家は飛びつきました。

 

特徴としては、少量しかのりが出ないため、紙がよれよれになりにくく、だれでも扱いしやすいです。

デメリットとしては広範囲の接着には不向きと言うことですね。

 

発売されてから10年近くが経つと思うのですが、そこまでメジャーなのりではなく、商品を知らないと言う方も多いので、使ったことがない方はぜひ試してみて欲しいです。

 

 

私が使ってるのはトンボの商品ですが、他のメーカーにもあるようです。

 

 

液体のり

 

 

次に液体のりです。これは最も一般的な水性タイプののりだと言えると思います。いろんなメーカーから出ていますが、口が小さいトンボのアクアピットがお勧めです。

本体から直接切り絵に塗っても良いのですが、のりが出すぎてしまうため、一度別の場所に法を出し、筆や楊枝などで少しずつ塗るのが安心ですね。

 

 

同じように、木工用ボンドも使うことができます。

木工用ボンドは、透明なものよりも粘度が高いため、人によって、扱いやすい扱いにくいがあると思います。

どちらも水性ののりなので、硬くなってきたら薄めて使うこともできます。

 

 

スティックのり

 

次にスティックタイプののりです。

スティックタイプは、こすって摩擦でのりをつけていくのですが、細かい切り絵だと隙間にのりが入り込んでしまうため、こすらずにポンポンと叩くようにして使うのがお勧めです。

 

水分は少ないので、紙がよれにくく使いやすいのりだと思います。

 

 

ペンタイプののりに出会う前は、私もスティックタイプののりをメインで使っていました。

液体のりでは水分が多すぎて扱いにくいと感じる方は、ぜひ試してみてほしいです。

 

 

 

スプレーのり

 

 

 

最後にスプレーのりです。

スプレーのりには様々な種類があるのですが、切り絵には「貼ってはがせるタイプ」がお勧めです。

 

しっかり貼りたい場合はしっかり接着できるタイプもありますが、貼ってはがせるタイプを多めにつけることで切り絵の紙ぐらいならしっかり貼ることができます。

私は現在すべての作品をほぼこのスプレーのりだけで制作しています。

 

 

メリットとしては広範囲をしっかり塗れること。

たくさん塗っても紙がよれないことです。

 

デメリットはスプレーなので全体的にベタベタしてしまうことでしょうか。

 

慣れるまでは難しいですが、慣れたらとても便利で、仕上がりも綺麗なので、ぜひ活用してほしいです。

 

 

 

 

 

和紙のり

 

番外編として、和紙のりを紹介しておきます。

 

 

これは表装用ののりとも呼ばれていて、書道の裏打ちやちぎり絵などに使われるのりです。

 

使い勝手は、子供の頃使うようなデンプンのりに近いです。

 

水で好みの濃度に溶いてたっぷりコーティングするように貼り付けます。

 

水分が多いので、紙が波打ちやすいです。その為、しわの目立つ紙にはあまり向きませんが、伸縮性が高く柔軟性のある和紙の接着にはぴったりです。

 

 

私も、和紙のみで作品を作っている場合に和紙のりを使っています。

専門店でないと手に入れにくいですが、薄めなければ木工用ボンドにも似ているので、液体のりの容量で使うこともできて便利だと思います。

 

 

 

以上が私が切り絵で使っているのりの紹介でした。

 

 

 

 

現在は基本的にスプレーのりまたは和紙のりのみで制作しています。

 

 

作る切り絵のサイズや使用する紙の質、さらに自分の制作方法などによって適したのりは変わってきます。のりはある意味最も難しく、自由度の高い道具であるといえると思います。

 

ここで紹介した以外にも、様々なのりがあると思います。色々試してみて、自分に合うのりを見つけてくださいというのが正直なところです。きれいにしっかりくっつけばなんでも良いのですね!

 

それぞれののりの詳しい使い方はまた後日紹介する予定です。

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