制作3日目「背景を作る」
前回はここまででした。
1日目、2日目でメインの花と花瓶を制作、今回は背景作りです。先に言うと3日目はものすごく進みました!今日の記事はとても長いです。よろしくお願いします。
★水張り
まずは木製パネルに和紙を水張りします。
よく見ると前回のとサイズが違うのがお分かりいただけるかと。そう、実はサイズ変更しました。B1で作る予定から、F30号に変更。理由は額装の都合です。パネルのまま油彩額に飾りたくなったので、油彩額の規格に変更しました。でもB1とF30はサイズが近いので、そんなに変化はありません。横幅が10センチくらい短くなったイメージです。
このサイズへの水張りは高校生の時の公募展でP50号の水彩画を描いて以来の、15年ぶりでした。アトリエを整えてなんとか終了。
水張り。下手くそすぎてとても見せられたもんじゃないです。見えないところは雑でいいという性格の問題かもしれない。
張った和紙は、新鳥の子の白です。
★下地塗り
下地を作っていきます。透明水彩をぶちまけて滲ませたりしながら味わいを出していきます。
皿に溶いた絵具をそのままぶちまけて、ドライヤーで流しながら乾かします。すごく楽しい。イエローオーカーをベースにピンクとか緑とか適当に。
途中経過。
何回も塗り重ねて、仕上げに胡粉(白)と銀色でパール感を出し完成。
試しに花を配置してみます。いい感じです。
★テクスチャ貼り
画面にリズムを持たせるため、テクスチャの個性的な和紙を貼ります。貼ったのは美濃麦入紙です。繊維がきれい。
表装用のりを塗ります。今回は作品に使う紙が全部和紙なので、糊付けは全て表装用ののりにしました。
画面にリズムができました。
★桜のシルエット(緑)
桜のシルエットを作っていきます。まずは、桜の枝を切り抜きます。反転させて使うので、2枚重ねて切りました。時短時短。
緑で塗ります。
というか、正しくは、「黄土色と紺色で塗ったんですが、混ざって緑になりました」です。こういう海藻ありそう。
作った海藻を貼る前に下地に青を塗って、海藻と画面の色彩のバランスを整えます。
安定の緑になりました。きれいです。
海藻を貼っていきます。この貼る作業がものすごく好きです。ピタッとくっつくと気持ちいい。シワにならないように、また色が滲まないように貼るにはコツが必要。
貼れました!
松の木みたい。松の描かれた山水画の雰囲気になりました。一瞬なんの絵を作っているのか忘れて見とれてしまいます。この状態はきれいだなぁ。これでしばらく置いておきたいくらい。私は描き込みの少ない、まだ曖昧な状態の画面が好きです。これから何がはじまるんだろうと、夢と希望があります。
さらに桜を切って追加します。これで、桜のシルエット部分は完成です。
★桜のシルエット(白)
では、次に白い桜のシルエットを作ります。桜の花の塊をたくさん切り抜きます。これは本当にたくさん必要なので和紙を6枚重ねて切りました。手が痛いです。
ぺたぺた貼っていきます。後から貼る桜の枝とのバランスをちゃんと考えてますよ。
桜を切り抜いた残りの紙ですが、こちらも活用しようと思います。
こんな感じで配置。
画面が面白くなりました。
ネガティブシェイプ(物体の周りのシルエット)が加わることで、より切り絵らしさが増しました。
やはり切り絵は「切り抜いて残った方」がメインになるネガティブなものだと再認識。
そしてまた、花を配置して確認してみます。
★テクスチャ貼りその②
全体的に淡く、画面が引き締まらないので、ここで黒を入れることに。
落水マニラ紙を黒で染めて、地面のような横のラインを出すように配置します。
いい感じだけど、なんだか「海苔」みたいです。
色彩とテクスチャ感がが全体的に「青のり煎餅をノリで巻いた」みたいだけど大丈夫かな‥
海苔感を和らげるために、桜を切り抜いた紙を追加しました。
★メインの桜貼り付け
そしてついにメインの桜の枝を貼り付けます。
メインの桜は背景の桜よりも、厚手の和紙で切って白を塗り込んでるので際立っていますね。
ユリと花瓶、そして蝶々を配置してみます。
ここから先は翌日に!
終了
今日はここまで。もうここまできたらほぼ完成形です。あとは微調整になりますね。
3日目はかなり一気に進んでしまいました。作業時間は10時間でした。水張りから始めているので、10時間でここまで持ってこれたのは満足でした!
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