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読書記録13「アンを抱きしめて 村岡花子物語」絵・わたせせいぞう 文・村岡恵理

読後感の清々しい絵本でした。

 

「赤毛のアン」の翻訳家、村岡花子さんの人生を一冊にした絵本で、NHK連続テレビ小説「花子とアン」の放送された2014年に発行されたのですが、私は「花子とアン」を見ていなかったので、この本で初めて村岡花子さんの人生を知りました。

 

文章は花子さんのお孫さんである恵理さんが。絵はわたせせいぞうさんが描かれています。

 

私は、わたせせいぞうさんの描く世界が大好きなんです。

 

中学生の時、わたせせいぞうさんの作品に出会ったおかげで、絵の道に進むことに決めました。わたせさんに出会わなければ、多分絵を仕事にしたいとは思わなかったし、多分切り絵も始めていません。私の絵描き人生で、わたせせいぞうさんに出会ったことが最も重要なことだったと思います。

だから村岡花子さんが「赤毛のアン」に出会えた時の運命を感じたであろう気持ちは、とてもよくわかりました。

 

子供の頃から偉人の伝記や人生を描いた物語はたくさん読んできたはずなのに、あの頃はどこか遠くの別の世界の人のことのようにしか捉えられませんでした。

 

今は生きる時代が違う過去の人物でも、とても深く共感できるようになりました。歳を重ねて経験が増えたからなのかわかりませんが、自分のことのように想像することができるようになりました。

 

わたせせいぞうさんの描く世界は、色鮮やかで美しく、どのシーンもとてもロマンチック。

じっくりと世界に入り込める素敵な大人の絵本でした。

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