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読書記録10「図書館超活用術」奥野宣之著

読書記録10「図書館超活用術」奥野宣之著

 

新刊書店、ブックオフ、Amazon(Kindle unlimited)が大好きな私。本を読むのは好きな方だと思う。(好みの偏りはすごいけど…)

 

しかし図書館で本を借りたこと、人生でほぼ皆無!なのです。なぜなら、近くに図書館がなかったから。

 

地元宇都宮に住んでいた18歳までは、父に連れられて2週間に一度は図書館に行っていたものの、立ち読みばかりで借りたことはなく、19歳で東京に出てからは、そもそも住民票を移してないし図書館どこだかわからないしで全く図書館に興味がなかった。東京に住民票を移したのは24歳の頃。その頃はあまり本を読まなくなってきて、28歳から電子書籍にハマって、しかも月額読み放題のKindle Unlimitedに入ったもんだから、「読まなきゃ勿体ない!」と浴びるように電子書籍で読むようになった。

 

そんな私がついに図書館に目覚めたのは、なんて言っても昨年末の引っ越しのおかげです。

 

偶然にも今の家は図書館から徒歩3分だった。一度も信号を渡らずとも図書館に行ける最強立地なのです。(陸橋は渡るんだけどね)それに気づいた瞬間「もうこれからは、図書館を使い倒すしかない!」と誓ったのです。

 

そして、33歳になって初めての図書館デビュー。使い方がよくわからないながらも、高価な美術書も画集も、読みたかった本はほとんど全て図書館にあるということを今更ながら知って感動しています。

 

今まで勉強するには本を買わなくちゃで、本を買うにはお金がたくさん必要、と思い込んでいたけど、、図書館に行くようになって人生が変わったよ、本当に。

 

この本も、図書館で見つけた本で、著者が好きなので読もうと思いました。図書館って素晴らしい施設なのに、今までの私のように使わない人は全く使わないし、使い方わからないし、単純に「本をただで借りられるところ」「学生が勉強するところ」「子供や老人が行くところ」というイメージを持っている方も多いんじゃないかと思います。

 

でも本当は、働く人ほど仕事のために活用した方がいい要素も満載。悩みは図書館に行けば全て解決する!と言ってもいいほどに、情報知識の宝庫なんですよね。

 

図書館がネットより優れているところ

 

そうは言っても、現代の人は、何かを調べる時「本」を真っ先に頼るというのはほぼあり得ないと思います。すぐそばにネットがありますから、まずはわからないことは、手直のスマホでGoogle先生に聞くのです。

 

もちろんそれで、「答え」はだせます。しかしネットで調べた情報というのは簡単で貧しいものだったりします。そして誰が調べても同じようなサイトの文章に行き着くでしょう。それでは多様性がありません。

 

さらには信憑性も危うかったりします。ネットは誰でも自由に発信ができる場所。だから案外間違った情報に騙されてしまうことも多いです。日常でわからないことがあり「とりあえず今知りたい」程度なら、ネットの検索で学ぶだけで良いでしょう。しかしそれを誰かに伝えたり発表したりというアウトプットに使うのなら、ソースがネットというのはとても危ういですし、プロの現場ならあり得ないと言われてしまうでしょう。

 

私も、今までは、調べ物はインターネットが主でしたが、著書を書くのがきっかけで、しっかりと書籍で調べるという癖をつけることができました。もちろんネットでしか調べようがない内容もあるのですが、その場合は、たくさんのサイトなどを閲覧し、信憑性の高さを見極めなければいけません。

 

それは案外骨の折れる作業で、「これなら本で調べた方が楽だなぁ」と感じることもしばしばです。だけど何かを調べるたびに資料として書籍を買うとなると、お金がいくらあっても足りません。

 

私は著書の2作目「物語のカラー切り絵」を描くときに、たくさんの資料を中古で購入したのですが、結構な値段でした。今思えばあれも図書館で閲覧すれば済むことだったのかも、と思い、普段から図書館を「知っていて使いこなせる」って大切なことだなと感じました。

 

図書館は潜在的に知りたかった情報に出会える場所

 

著者が本の中でも言っていますが、図書館のいいところは、ふらふらと棚を見て歩くことで自分が求めていなかったいい本に出会えるところだと思います。探していたわけじゃないけど気になった本というのは、自分が潜在的に知りたいという内容なのだといいます。

 

現代は検索機能の発達により知りたい情報にダイレクトに出会えるようになったため、出会う知識の幅がとても狭くなってきてしまってると言えるでしょう。それでも本当は、自分が興味があると意識していないものの中に、とても面白い発見があったりします。そんな日常から外れた運命の出会いが図書館では可能なんですね。

 

ちなみにそれなら新刊書店でも同じじゃないかと思うと思うのですが、新刊書店は置かれている書籍が限定的なのでまた違うということです。

 

図書館にあって書店にない「分類」とは

 

図書館の本は、NDC(日本十進分類法)で分類されています。背表紙に貼ってある数字のシールのアレです。全ての本がこの数字で分類でき、これを使いこなすことで図書館がより活用できてくるのだそうです。著者の奥野さんは、図書館をより理解するため、なんと司書の資格も取ったそうです。すごいですね。

 

そこまで自力で使いこなせずとも、図書館ではレファレンスサービスという調べものに使えそうな本を探し提案してくれるサービスがあります。図書館って本棚の表に見えている本だけじゃなく、膨大な所蔵や他の図書館のネットワークもあるのだから、絶対に知りたい情報はどこかに眠っています。

 

私も最近ネット検索で専門書を調べていたのですが、何十年前の専門書も区内のあの図書館に所蔵されていて、取り寄せることができると知って感動でした。調べ物にはまず図書館だなぁと感じますね。

 

誰にも邪魔されないプライベート空間としての図書館

 

そんな感じで図書館の活用法について学んだ本の最後には、図書館はプライバシーを守ることへの徹底がすごいという話が書かれており、2015年8月の終わりのの鎌倉市図書館の有名なツイートが紹介されていました。

 

「もうすぐ2学期。学校に行くのが死ぬほど辛い子は、学校を休んで図書館にいらっしゃい。マンガもライトノベルもあるよ。1日いても誰も何も言わないよ。9月から学校へ行くくらいなら死んじゃおうと思ったら、逃げ場所に図書館も思い出してね。」

 

のツイートです。

 

とても反響がありましたよね。TVとかでも取り上げられていなかったでしょうか。Twitterをほぼしない私もよく覚えていますが、この文章を改めて読んで涙が出てきてしまいました。

 

そういえば私も高校3年生の頃、鬱のようになり学校に行くのがすごく嫌で、毎日休んでいたら、ついに出席日数が危うくなりました。そんなとき、担任に「教室に来なくていいから、学校のどこかにいてくれ。そしたら欠席にはならないから」と言われ、それから毎日、学校の図書室で本を読んで過ごしていました。

 

そんな毎日を送るうちにいつの間にか教室に戻ることができましたが、あの日あの時私を助けてくれたのは、本であり、図書室であり、そこにいるのを許してくれた先生だなぁと当時を思い出したら涙が出たのです。まさかこの「図書館超活用術」って本読んで、最後に泣くなんてさ。。

 

このツイートは、ネットでは「本は心の救いになる」などと捉えられたようですが、本当は「図書館にいることは学校や親には連絡しないから安心して利用してください」という意味を持っていたのだということです。まさにプライバシーの守られたそんな場所があるって、本当に救われますね。

 

私はまだ図書館初心者ですけど、これからどんどん活用して、人生を豊かにしていきたいです。

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