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読書記録9「ブックオフ大学ぶらぶら学部」

図書館をぶらぶらしていたら、こんな本を見つけたんです。

読書記録9「ブックオフ大学ぶらぶら学部」

 

皆さんはブックオフに行きますか?私は物心ついた時から、母や父に連れられて近所のブックオフをぶらぶらしていました。小中学生の時が一番頻繁に通ったでしょうか。もうあの頃通ったあの店舗もとうの昔になくなってるのに、今でも棚の配置や本を選んでいた時の光景が鮮明に思い出されます。

 

漫画や小説、雑誌、全部100円とか200円とかの子供のお小遣いで買えるものです。最初は漫画から入って、高校生くらいで文庫小説の欄に移動して、文章だけの本はなんだか知的な感じがしてカッコ良くて、私にも読めそうな本はないかなと隅々まで探して回っていました(主に100円の本のコーナーをね)

 

だから、私の家の本には、漫画の新刊以外は大体ブックオフの値札シールが貼ってありました。TSUTAYAと蔦屋書店も父に連れられて同じくらい行ったけど、レンタルCDを眺めるだけで、書籍はほとんど見なかったかな。新刊書店に並ぶ書籍は、キラキラしていてどれもこれも高価で、作者順とかにはあまり並んでないし、もちろん価格順にも並んでないし、立派な陳列棚がそびえ立つ巨塔のように大きく見えて、なんというか「怖いな」って感じていました。高校生の時どうしても新刊小説を読んで読書感想画を描きたくて、何がいいのかわからず平置きさてている一番装丁が綺麗なハードカバーの本を選んだ時の気持ちも覚えてる。新刊は1000円以上してすごく立派で、高級なものを買ってしまった緊張感があって。19歳くらいになってバイトも始めると好きな作家のハードカバーを買うのにも抵抗はなくなってきたけど、新刊を買うようになってからは、逆に読書量も減った気がして、いろんな意味で私にとって「知」へのアクセスはブックオフが担ってくれてたんだと感じます。

 

とはいえ最近は滅多にブックオフで本を買わなくなってしまった私。理由は「中古のくせにあまり安くない」から。たまに覗いて「あ、読みたかった人気の本がもう中古で出てる!」とウキウキして値札を見ると、定価の100円安いだけ?みたいなのもあったりして、すごく騙された気持ちになり、そのまま棚に戻す。ブックオフって昔からこんな感じだったっけ・・・と不思議に感じていたのですが、この本を読んで謎が解けました。もともと、本の貴重さや価値にかかわらず、綺麗であるかなどの状態で価格を判断し、定価の半分くらいの値段、一定期間売れなかったら値下げをしていくシステムが独特で、とにかく安い!お得!で人気を博していったブックオフですが、2012年頃に横行したせどらー(転売目的で仕入れに来る人たち)への対処として本の価格をネット上の相場に合わせるなどの対応がされたようです。それで、それまでのような、極端に安い中古の本があったり、という感じが無くなってしまったようですね。

 

私が一番ブックオフに通っていたのが1998年から2008年くらいだと思うので、知らない間にせどらーによって荒らされたブックオフは、時代に合わせて変わってしまったということのようです。寂しいですが…まぁ仕方ないですね。

 

ブックオフは2020年に30周年を迎えたらしく、どうもこの本はその記念?的な本なのでしょうか。本ではブックオフを愛する様々な方が、自分とブックオフについてを語られていて、愛を感じたしとても面白かったです。

 

私は今もブックオフ愛は変わらないのですが、そんなわけで本の方はほとんど見ずに、最近はリサイクルショップ目的で、洋服や家具・家電などばかり真剣に調査しています。ブックオフには大きな家具などの扱いもあるブックオフスーパーバザーという種類の店舗があって、その中でも比較的大きな店舗が車でそこそこの近所にあります。

 

ブックオフでの宝探しは本当に私の大切な趣味ですから、今度なんかのタイミングで「ブックオフで買ったインテリア紹介」の記事を書きたいなくらい考えています。本は大して安く無くなってしまったと言われるブックオフですが、家具なんかは他のリサイクルショップよりも安い気がしますし、着物とかも着物専門のリサイクル店に比べてすごく安いイメージ…店舗によりますが。何より掘り出し物を見つけた時の幸せかんがたまりません。安い物好きでケチなのではなく、私にとってのお値段以上に出会えるのが楽しいのです。

 

「お金さえ潤沢にあれば、こんなにブックオフにはまらなかったかもしれない、と思う」

と島田潤一郎さんがこの本で語っていますが、私も幼い頃に100円で文庫が買えるブックオフに出会ったのが大きかったかもしれないと感じます。ブックオフで子供の頃にとても気に入って買った美術系のムック本に書かれていた内容は、時代がかわってもアイデアは色あせずに、私の引き出しとして今も大切に残してあるし、ちゃんと私の創作の血肉になっていると思うのです。

 

「たった一冊の本がその後の人生に大きな影響を与えることがあります。その可能性がどの書店よりも高いのがブックオフと言ってもいいかもしれません。」と本の中で馬場幸治さんが言っている通り、令和・平成・昭和の作品に幅広く出会える書店は他にはないでしょう。

 

今週末は久しぶりにブックオフの「本」のコーナーも覗いてみたいと思いました。

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