読書記録04「構図力」入門 絵の良し悪しは構図で決まる 猪股岩生著
最近仕事尽くしで全く読書する時間がなくて。アウトプットばかりだと気持ちが枯れてしまうので何か読書をと思ったのに、やはりつい仕事に関連する小難しい本を選んでしまうんですよね。
やだなぁ、自分のそんなとこ。昔から勉強が好き。学ぶのが1番楽しい。
Kindleで読み放題だったので、ついダウンロード。表紙から見て、専門的で文字が多そうだし、読むのに時間かかっちゃうかなぁと思ったのですが、開けてみたら、とてもシンプルにまとめられていて、ページ数も少なくて読みやすかったです。
重要な語句は太線で書かれてるし、1ページに1項目の説明とイラストになっているから、わかりやすい。
書籍というか、重要項目がまとめられた「ノート(資料)」のようで。
脳にわかりやすく入って来るからこういう本いいなぁ。と思ったのでした。
思えば、構図の専門書って実は、今まであまり読んでいないかもしれません。
デザインの作例書でなんとなく触れられていたり、後は、写真の授業とかでは構図は習うけど。じゃあ自分が構図を人に教えるとなると、どう教えればいいか迷いそうだなと思っていました。
そんな意味でも、「ああ構図の説明はこうやって整理すればいいんだ」と学べた本でした。
本書の冒頭でも触れられていますが、絵において「技術よりも大切なのが構図」だと私は考えます。
これは美術やデザインをしている人間からしたら当たり前なのですが、意外に気付きにくい部分でもあります。
ある静物画家は、「モチーフを組んだときに作品の80%は完成している」と言いました。画面のどこに何を書くかを決めた段階で、絵の完成度はほぼ決まっているのです。
構図とは「設計図」で、描く作業は「設計図を100パーセント魅力的に見せるための作業」なんだと私は考えます。
ですが、皆さん趣味で絵を描く場合、そこまで構図に時間をかけないのではないでしょうか。「そんなことしていないで早く書き進めたい!」そう感じるのではないでしょうか。
けどしっかりと構図を検討して書き始めなかった絵は、その後何十時間手をかけて書き込んでもいい絵にはならなかったりするのです。
技術は「構図の良さの限界」を超えることはできないんですね。
逆に構図がよければ、下手くそでも描き込みが全然でも様になっちゃうんです。
芸術の不思議さと奥深さがそこにはあります。
私は昔から技術より構図に作品作りの重心を置いています。
構図については感覚的で持って生まれたセンスでやっている部分が大きいように思われがちですが、そんなことはないと思います。
なぜ魅力的に見えるのか。その感覚的な部分を、理屈で解析して説明すると、ちゃんと理由があることに気づきます。
構図を学ぶのは、自分の経験を積み重ねながらゆっくり行わなくてはいけないため、時間はかかりますが、とても楽しいもの。
絵を描く人でも描かない人でも、人生の貴重な財産になるのではないでしょうか。
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