読書記録03「時代考証家のきもの指南」山田順子著
※2月に書いた記事ですが、忘れていたので今更UPします。
読書記録03.きもの関連で勉強になった本を紹介します。
著者は時代考証家の山田順子さん。
人気ドラマの「JIN-仁-」や「この世界の片隅に」などの時代考証や所作指導をされている専門家の方。
まず時代考証家というご職業に惹かれました。
時代考証家の視点からきものの事全般が、歴史や文化の背景からしっかり解説されており、ざっくり事実だけ知っていた事柄の理由などがわかり、とても勉強になりました。
これは何事にも通じる事ですが、歴史がわかると、「現在」の「なぜ」が腑に落ちます。
伝統的な事柄って、「それが常識、当たり前だからそんなんだ」と理由を考えようとしなかったり、暗記の様にただ頭に入ってて従っているだけになってることも多いように感じます。
でも歴史を辿っていくと、全て「はじまりの理由」があって、納得させられるんですよね。
そして、より親しみを感じることができます。
また伝統的だと信じていたものが、以外と歴史的には浅かったりして、なんだ、つい最近じゃないかと、捉え方が変わったりもします。
教科書のような情報的ボリュームがありながら、柔らかな文章で親しみやすい読み物でした。
とくに第7章の「着物文化の復興」では長野県上田の呉服屋「和楽座」さんとの、蚕の里の復興についての活動を書かれていますが、詳細なやりとりがとても興味深かったです。
伝統を絶やさないことの大切さはもちろん、ビジネスとして考えられなければ真に復興は難しいのが伝統産業だと思います。
真剣な活動に直接関われていなくても、知ることで伝統に敬意を払えたらいいなぁと感じます。
きものの歴史から未来まで
これだけの深い本が書ける知識。
しかも初心者が読みやすいって言うのがなによりすごいなぁ。
著者の先生と、日本人の人生が詰まった本に感じます。
また読み返したいです。
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●歴史・文化・伝統がわかる 時代考証家のきもの指南
第一刷2019年11月30日
著者 山田順子
株式会社徳間書店
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