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読書記録18「いのちより大切なもの」星野富弘

 

星野富弘さんは体育教諭だった24歳の時、けがで頸髄を損傷し、首から下の運動機能を失い、以後、口で筆をくわえることで絵や文字を描き、たくさんの詩画作品を世に送り出してきた画家さんです。

 

ご出身の群馬県に美術館があります。

 

美術館に初めて訪れたのは、小学校低学年の遠足だったと思います。幼かったけれど、あの空間の明るさ、温かさはよく覚えています。

 

緑の連なる大きな湖の湖畔で、広々として開放的な美術館で。

 

バリアフリーの行き届いた館内は、不思議と7歳くらいの自分が、ちょうどいい心地いいと感じる展示の感じだったように思います。

 

今思えば、子どもの頃って、ちょうど車椅子の目線に近かったんですね。

 

ひろーい空間に、決して大きくはないサイズの星野さんの作品がゆったりと並べられていたのが印象に残っています。

 

星野さんの作品は、私にとっては初めて見た「画家」の原画でした。

 

初めての「美術館」でした。

 

とても心に残っています。

 

星野さんの本は小学生の頃によく読んだけど、本書は東日本大震災後の発行。綴られている思いも心に響くものがありました。

 

子どもの頃に見たものを、大人になってから改めて鑑賞すると、少し違った感情を持つことがあります。

でも星野さんの絵は今も変わらず温かく心に染みてきました。

群馬の大自然のようなふるさとは私にはないけれど、昔に帰って自然に包まれたくなるような、、とても懐かしい気持ちになる本でした。

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