読書記録23「知的文章術 誰も教えてくれない心をつかむ書き方」 外山滋比古著
文章術の本と言うと、図やイラスト、例題を交えながら教科書のように編集されたものも多いが、私としては、エッセイ形式のものが好き。
この本はまさにそうで、1つのテーマに沿ってエッセイほどの短い文章でで進んでいく。
そして購入の決め手は、著者が「思考の整理学」の外山滋比古さんだったから。
面白くて一気に読んだ。
語り口や単語が少々、知的な年配の方雰囲気があり良い。
新刊だと思ったら新装版だった。元は2010年の発売のものらしい。
内容を頭に入れたいので、音読しながら読んだけど、スラスラ読み上げることができて
読みやすい文章とは、こんなにも音読しやすいのかとちょっと感動した。
今回のメモ。
短い文章を書く方が時間がかかる。
アメリカ大統領、ウッドローウィルソンの言葉「1時間位の長い演説なら、何の準備もなしに、即座に演壇に登って始められる。5分間スピーチなら、1日1晩の支度がないと引き受けられない」
案ずるよりは書いてみる
過ぎたるは、なお及ばざるがごとし。
緊張しすぎたり、力を入れすぎたり、調べすぎたりすると書けなくなる。
名文を読む。音読をする。
音調の美が忘れられかけている。昔寺子屋では漢文の素読をしていた。意味が入ってくる前に、リズムとして体に刻み込む。すると次第に、自分も良い文章が使えるようになる。(しかしあれこれ違う種類の文章と付き合うのは相殺してしまうので、1人2人の文章化の文章を集中的に読み込む)
自己批評、自分で自分を褒める
ピグマリオン効果→褒められると伸びる。他人は褒めてくれるとは限らない。自分で自分を褒める。
朝飯前の仕事
もともとは朝が1番頭が咲いているので、朝飯前に仕事をすると言う意味。文章を書くのは朝飯前が1番オススメ。
耳で書く
目だけで書いている文章にならないように。耳で聞いてもわかる文章。単語の使い方。そのためには声に出してみる。声に出すと違和感に気づきやすいので、必要のない言葉、必要のない繰り返しも少なくなる。
センテンスをシンプルに。
同じ言葉を繰り返さない。
1つのセンテンスは40から50文字。70字以上は多すぎる。最近はセンテンスは短くなってきた。意味のはっきりしない「が」を使わない。余計な「つなぎ」を少なくする。むしろセンテンスとセンテンスの間に、多少の空白がある方が読んでいて、爽やかな感じがする。
飾り言葉を使いすぎない
形容詞があったほうが良い文章のような錯覚を持っている人があるが、なるべく削る。文章の贅肉が落ちる。飾りたくなるのは幼いこと。言葉の生地の美しさを見せること。
段落は箇条書きから考える
段落(パラグラフ)は、もともと英語の文化。日本の歴史では明治から。1段落は200から300文字ここ数十年短くなってきている。短くなるのは読みやすいが、大きな流れを見失う恐れ。段落と段落の間の論理は少し飛躍していた方が良い。
段落は、感覚でつけている人が多いが、考え方として
1書きたいことを箇条書き
1つを何段落で言えるか
全体で何段落か× 1段落あたりの文字数で、あらかじめ1つの文章の文字数が予想できる。
文章のテーマは、一言で
文章のテーマは、1つのセンテンスで表現できるものでなくてはならない。テーマは何と聞かれて長々と話すようではダメ。あれこれ欲張らない。主題を温める。すぐに書き出さない。
起承転結の転から書き始める
文章は、書き出しが肝心。ABC D、 EのCから書き始める。Aから話し始める人の話は、何が言いたいのかわからないし、引き込まれない。
「結論から言うと」はEから始める文章。
他にも、推敲にまつわるヘミングウェイのエピソードなども、興味深く、学びになった。優れた文章化の書く文章はとても読みやすく、一気に読んでしまった。これから文章書くのに意識していきたいと思う。
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