読書記録25「インプットルーティーン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。」菅付雅信著
ヤマブキ色の鮮やかな表紙に潔くデザインされた「天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。」の字は、書店に並ぶ新刊のビジネス書の中で際立っていて、表紙を見た瞬間に「これは買わなくてはいけない本だ」と直感しました。
私は長年「クリエイターとして、人生のバイブルにする本が欲しい」と思っていたのですが、まさにこの本がそうでした。
この本は
「アウトプットの質と量はインプットの質と量が決める。
あなたに足りないものは圧倒的にインプットである」
と言う言葉で始まります。
先日セミナーに行った樺沢紫苑さんの著書「インプット大全」では、
インプットとアウトプットの割合は3対7でアウトプットたくさんすることがいかに大切かと言っています。ビジネスや一般的な勉強の場では、ほとんどの人がインプット過多になりがちなので、アウトプットの重要性を説くことは正しい。ですが、美術などのクリエイティブな世界の人間は、本書で言われているように「いかにアウトプットするかがテーゼになっている」そしてそれに対して、そうじゃなくて「大切なのは良質なインプットだよ」と語っているのが本書になります。
You are what you eat.(あなたはあなたの食べたものでできている)という慣用句がありますが、
「あなたはあなたがインプットしたものでできている」ということです。
最近では、「すぐに使え、すぐに廃れるアウトプットノウハウ」が氾濫している。私も小手先の技法書などを読むのが大好きでしたからよくわかります。そもそも求められるアウトプットというのはクライアントや媒体時代で変わるもの。それらに囚われないクリエイターに有益で普遍のメソッドとは何か?それは知的インプットのやり方を教えることでは?ということで、この本では、クリエイターがクリエイティブであり、続けるために1番大切なインプットの方法と、クリエイターとしての教養も身に付く、具体的なインプットすべき名作を教えてくれています。
アイデアと言うのはジェームス・W・ヤングが『アイデアの作り方」の著書の中で言う通り、「既存の要素の新しい組み合わせ」なのですが、そもそも、「既存の要素」というのが、頭の中になければ、それらを掛け合わせることができない。まずは膨大なインプットをする。そしてそれらを掛け合わせるということを日常的に頭の中で行う。天才はひらめきに頼らずにそうやって、アイデアを生み出す仕組みを持っている。つまりそれが「天才になる習慣」ということなのです。
本書では、クリエイターとしてインプットしておくべき名作を、
ジャンル別に多数紹介してくださっています。
第二章、読書編では「クリエーションを学ぶための100冊」
第3章、写真・映画アートなどの視覚芸術編では、「映画ベスト100」「アート写真ベスト100」
第4章、音楽編では「音楽アルバムベスト100」
合計で400の知っておくべき名作が紹介されています。
さらに5章では、口からのインプットとして食事についての参考図書も13冊紹介されています。
正直なところ、私はアート的な教養がないと自覚しているので、ほとんど知らないものばかりでした。
教養として勉強したいと思っていながら、あまりにも膨大な中で何から手をつけたらいいかわからなかった。こうやって一覧にしてもらえるのはものすごくありがたいです。
これから少しずつ、紹介された作品たちをインプットし、血肉にし、自身のクリエイティブに深みと説得力を持たせていきたいと思います。
本としては1日で読み終わりましたが、本書で紹介された計400のインプットを熟すということでは、完全に自分のものにするのには何年かかるかわからないですね。
しかし、これらを全て吸収したら、私はどんな成長を遂げるのか?と思うとワクワクします。
私のバイブルとなるとても素晴らしい本に出会えました。
全てのクリエイターにおすすめしたいと思います。
関連情報