華色切絵 【公式サイト】

読書記録26「中学受験は食事が9割」表洋子著

 

料理家で受験、食事マイスター、都内の大手進学塾に食育担当として勤務し、保護者とお子さん対象の料理教室「賢母の食卓」を主宰されている表洋子さんの著書を読みました。

 

私自身は、子供もいないですし、中学受験どころか、高校受験も大学受験もろくに経験していない身ですから、受験生と、親御さんの気持ちは想像することしかできないのですが、楽しく興味深く読ませていただきました。

 

本書では、近年の中学受験を中心に、学校が、家庭での食事や家事をいかに重視しているかを紹介しています。食事のマナーに関する問題はもちろん、料理の科学的なこと、日本の伝統的な食文化の問題など、勉強だけではない広い視野が求められているということに、まず私は驚きました。

 

確かに生きる力という意味では学力だけでは測れないものがあります。

正直、私は本書のタイトルを見たときに、健康面や脳科学の面からも食事により記憶力の差、集中力の差などがあるのはわかってきているので、それについて書かれている本だと思いましたが、もっと幅広く家庭での食事を通して、生活人間力を養ってほしいという本でした。

 

読み進めながら、自分の子供時代の食生活や食文化に対する学びを振り返っていたのですが、それなりに経験をさせてもらった事は、両親や祖父母に感謝の気持ちを覚えました。

本書に出てくるような味噌作りやジャム作り、梅干し作りなど本格的な事はしたことがなかったけれど、料理やお菓子などは、そこそこ作る経験もしていたし、お正月のおせちや、季節の行事は、祖父母が同居していたこともあり、それなりに経験させてもらいました。大人になって思うのは、やはり子供の頃の経験が人間を作ると言う事です。

 

本書では、食べ物が健康な心と体を作るということ、アレルギー対策やストレス対策に良い食事として、添加物の少ない玄米や味噌を食べることを強く推奨しています。

特に受験生の体調管理に味噌汁が欠かせないという知識は広く知られていることのようで「毎食味噌汁を出してください。パン食の時もです。」と塾の先生に言われたと言うエピソードもありました。

私の子供の頃は、味噌汁の重要性など全く考えてなかったですが、毎日味噌汁だけは作ってくれていて、さらに本書でも推奨されている豚肉の生姜焼き、あと納豆を毎食食卓に並べてくれていた祖母にはこの年になって感謝です。

 

ただ幼少期は私はとてもお腹が弱く、アレルギー体質で、後にそれが完全に家庭の食生活のせいだったということにも気が付きました。小学生の頃、毎日のように下痢止めを飲んでいた私。あの頃、この知識があれば、もっと元気な学校生活を遅れていたなとも思います。

私の人生の唯一の受験である、美術系高校の特待生入試の日も朝からひどい下痢で、冷や汗をかきながら、朦朧としながら、作文の試験とデッサンの試験を受けたの思い出しました。体調が悪いと、当たり前だけど、全く頭が動かないですよね。受験本番にあんなに具合が悪くなるなんて。ちゃんと受かったので、良い思い出ですが酷い話です。

 

本書は、受験生のお子さんを持つ親御さんに向けた本ですが、すべての資本である体を整えるのは食事です。それは働く大人でも、改めて自分のこととして考えるのが大切だと思います。

 

第5章のノート、体にいい!「合格メニュー」30選も美味しそうでした。

うーん、大変だと思うけど、青春と勉強に励んでいた学生時代。

戻りたくなるなぁ。

 

中学受験の実情もわかりつつ、改めて自分の生活も見直すことができる、期待以上の密度ある本でした!

関連情報

コメントは受け付けていません。

特集